先日、ある仕事の関係で、
地元ローカル線の本社へ足を運びました。
地図の示す住所に到着すると、
そこにあったのは、本社というにはやや控えめな建物。
若干とまどいながらも、社屋の中へ。
担当の女性が出てきて、
会議室らしき部屋へ案内してくれました。
その女性が上司を呼びにいっている間、会議室を見渡すと、
目に付いたのは、部屋の端にあった本棚。
ずらりと並ぶビジネス書を手に取ると、
そこには、何度も読み返されたような跡。
勉強してる人がいるんだなぁと思っていると、外から、コツコツという足音。
ドアが開くのに合わせて、入り口のほうへ振り返ると、
担当の女性と、その上司らしき男性が立っていました。
さっそくご挨拶を。と近寄り、
いつものように名刺を出す僕。同じように名刺を差し出す彼。
でも、その先が「いつもの」ではありませんでした。
「はじめまして」という僕に対し、彼から返されたのは
「久しぶり」。
見上げた視線の先にいたのは、高校の同級生でした。
「びっくりしただろ」と言わんばかりの笑み。
スーツに身を包み、
世のおじさんと同じような体格をした彼。
でも、おぼろげながらに残る、高校生の時の面影。
それから仕事の話を少しして、一息付いたあと、
「大変そうだね」と言うと、
「大変だよ」と彼。
地元の期待を背負って、全国でも新しい取り組みを
次々と展開しているこのローカル線。
そこで一線をはっている社員の皆さんの頑張りは、
実際に話を聞かなくても、想像できているつもりでした。
が、やはり、実際はそれ以上のもの。
現在、たくさんのメディアに取り上げられている数々の実績は、
彼らの努力の上に生まれているんだと再認識しました。
でも、実は、なにより印象的だったのは、
そんな大変な毎日のことを話す彼が、
どこか幸せそうに見えたこと。
「きのうは、地域の公民館で、
お祭りに駅舎を使ってもらうための打合せをしてきたよ。
青年会のお祭りなのに、みんな70歳だよ」
「こんなに、自分たちの住んでいるところについて考えたことなかったよ」
そんな話を苦笑いしながらする彼。
たくさんのしがらみの中で、
プレッシャーとも言える地元の期待を背負って、
決して物質的に大きな見返りが
そこにあるわけでもないはずなのに。
少し擦り切れたスーツの袖をまくりながら、
目を細めて笑う彼が、
その時なんだかとてもうらやましく感じたのを、
今でもよく覚えています。
(とら)
久しぶりに書いたら、
長くなってしまいました・・・反省。